topバーチャル展覧会入口
 
金属彫刻作家新鋭展とは
 「金属彫刻作家新鋭展」とは、東京芸術大学と筑波大学中の金属を素材とした彫刻を制作する若き作家たちの選抜展で、一昨年より第1回の展示を開催している。
 3回目となる今年は、「―開かれた音域―」テーマを掲げて、東京芸大の村尾里奈氏と筑波大学の松永晴子氏という、同企画展初の女性作家同士による共催となった。
 両氏は、「金属という素材で形づくられ、ともすれば重量感を感じさせるメタルアートを、一定の空間の中で見る人の身体や空間の空気と響きあうものにできないか」といった共通の制作テーマを持ちながら、各々が異なる手法で作品を制作。こうしたアプローチから、「重さを見せず」「視覚的な広がりを持った」「軽やかさの中にも余韻を感じさせる」メタルアートの新たな可能性を提示する企画展となっている。
   
作家紹介
・村尾 里奈

<略歴>
1975年愛知県出身。1998年米国アルフレッド大学アート&デザイン学部卒業後、2002年東京芸大大学院美術研究科彫刻専攻終了。現在同大学院彫刻科博士課程に在籍。

<作家コメント>
彫刻とは空間を扱うことでもあり、見る者の身体の感覚と彫刻の配置を含めた空間の関係性は無視できないものであり、制作の興味はそれに尽きるといっても過言ではない。今回の企画展では、初のステンレスによる野外作品で、「いかに敷地の特色を活かした空間の構図を考え、そこに人間の存在を感じさせるか」を課題とした。他、普段のライフワークでは、素材やその表面処理などで新たな表現方法はないかと模索している。今回出展の小品「沈着と移行」では表面に“黒染め”の手法を用いている

村尾 里奈
   
松永 晴子

<略歴>

1980年愛知県出身。筑波大学芸術専門学群卒業後、2004年同大学大学院終了課程芸術研究科修了。現在、同大学芸術研究科研究生。

<作家コメント>
様々な素材を組み合わせた彫刻の表現を試み、現在は蝋型鋳造に興味を持って制作している。今回の企画展では、「彫刻は形を持ち存在するものだが、彫刻から受けた印象が、音が人の身体に浸透していくような効果を持つ作品を作れないだろうか」を課題として制作に取り組んだ。異なる素材による「響きあい」をテーマに、音を喚起させる作品群で彫刻の時間を模索してみた。

松永 晴子
 
METAL ART MUSEUM HIKARINOTANI とは
外観写真
 METAL ART MUSEUM HIKARINOTANI(光の谷)は、北総出身であり生年もほぼ一緒でありながら、伝統を重んじた「香取秀真」と革新を唱えた「津田信夫」、2人の対照的な鋳金作家の作品と、大正から昭和にかけて、香取・津田両名に影響を受けた金属工芸作家の作品を主に展示する美術館。
 さらに、現代の意欲ある金属彫刻作家の紹介と支援を意図し、屋内と野外の展示場を提供している。

URL:http://www.jade.dti.ne.jp/~mam/

 
 
 
Copyright 2004 ZENTOKKYO All rights reserved