「IRON MAYDAY」は“鋼鉄の心意気による鋼鉄のための祭り”とのサブタイトルを掲げ、労働の賛歌を歌いながら景気回復を願おうというもの。出演は、いまインディーズ界をもっとも熱くさせている「漁港※(ぎょこう)」と、鉄のアイテム&テクノ愛のパフォーマンスユニット「グラインダーマン」。
第一部は「魚港※(ぎょこう)」の、漁業一色の演奏スタイルのライブがスタート。ステージでのマグロ解体も披露され、マグロの刺身や頬肉が観客に配られるなど、意外性のあるパフォーマンスに会場は終始笑いの渦に。
続く第二部ではグラインダーマンが登場。複数の匿名性の強いメンバーにより、無機質な動きのパフォーマンスが繰り返される。なかでも、鋼鉄をキーワードにしたいくつかのパフォーマンスが演じられ、鋼鉄を溶接する、溶接された製作物を装着して現れる、さらに集団で鉄をハンマーで打つなど、軽快なテンポのなかにもシュールでコミカルなパフォーマンスが続けられていく。クライマックスは。彼らの十八番とでもいうべき己が身を削り火花を散らすグラインダーショー。暗闇のなか、閃光を観客席までまき散らすグラインダーマンの迫力に、会場が一瞬にして騒然となるラストシーンであった。パフォーマンスの合間には、浦安鐵鋼団地の碓井鋼材(株)で撮影、グラインダーマン自身が映像編集を手がけたイメージビデオも上映され、現実の特殊鋼生産現場とグラインダーマンによって抽象化された鋼鉄(ハガネ)のイメージが巧みに関連づけられたパフォーマンスでした。
※「港」の反転文字。 |